アメリカ(ベイエリア)で網膜レーザー手術を受けた話
ちょっと珍しいかつ面白い話ではないかと思うので体験談を書きます。
前日談
私は2019年に渡米したのですが、元々日本の健康診断で「強度近視眼底疑い」、「両視神経乳頭陥凹拡大疑い」で毎年要検査となっていました。近視がひどいのかな〜?ぐらいに軽く考えていたのですが、2018年に重い腰を上げ眼科に行きました。そこで一時間近い検査の結果、
「周辺視野で見えていないところがありますね。」
「大学病院を紹介します。」
と伝えられました。
大学病院では、またも長い検査*1の後、網膜剥離を起こす可能性があるので経過観察しましょう、とのことでした。 なんでも、右目の網膜に穴があり剥がれやすい状態になっていたそうです。ちなみに左目の網膜は一度剥がれてまたくっついたような痕跡があり、再度剥がれることはないでしょうと言われました。 目の奥行きが長くなっていて、そのせいで網膜が前に引っ張られていると解説されました。 3ヶ月〜6ヶ月に一度定期検診を受けていたのですが、そうこうするうちにアメリカへの転籍が決まり、引っ越しすることになりました。最後の検診で引っ越しについて伝えたところ、今の所目は大丈夫とのことで、特に紹介状はもらいませんでした。
転機
2021年4月頃、免許証の更新の案内が来ました。免許証発行時の視力検査で危うく落ちかけた*2ので、万全を期すため眼鏡を作り直すことにしました*3。近所の検眼医で眼鏡の処方箋を作ってもらうついでにComprehensive Eye Examを受けた所、
「周辺視野で見えていないところがありますね。」
「網膜に傷があるので専門医を紹介します。」
と伝えられました(3年ぶり2回目)。 紹介状には"Retinal tear on"と書いてありました。
受付の人は「専門医のオフィスに紹介状をFAXしたのですぐに電話がかかってきます」と言ってましたが、紹介状のどこにも患者(私)の電話番号が書いておらず、電話がかかってくる気配もありませんでした。 こちらから電話するのは嫌だなあと思いながら紹介してもらった網膜専門医のホームページを見てみると、そこには"Book online"のボタンが!現代的!と思いながら予約したら、エラーで予約失敗したから電話してね〜、というメールが届きました…
なんだかんだで先延ばしにしてたのですが、5月中旬頃子供の健康診断の予約で電話をしないといけなかった*4ので、ついでにと思って網膜専門医に電話をしました。そうしたところ、 「retinal tearは緊急を要するから、今すぐ来てください」とのこと。その日の午後すぐの予約になりました。 また長い検査*5の後、2日後にレーザー手術することになりました。
網膜レーザー手術
この手術は、網膜の穴・傷の周りをレーザーで焼き、人工的に火傷を作って固まらせ、穴・傷が広がり網膜剥離へと進行するのを予防する手術です。 特に注意点などは医師からは伝えられず、手術前にネットで調べたところ、「眩しいのが気になるぐらいで痛みはほとんどなく、術後すぐに日常生活に戻れる」とのことだったので、あまり恐怖感はありませんでした。手術当日は午後一時からの予約で、瞳孔を開ける目薬を入れ、蛍光注射をして網膜の写真を撮る検査*6をした後、麻酔目薬を入れて手術、という流れでした。 歯医者でよく見る診察台に座り、上体を倒して、目にレーザー装置を先生が手で押し当てた状態で施術を受けました。「右を向いて」や「右上を向いて」などの指示の後、体感で数秒から十秒ほどレーザーが照射される、というのを体感で何十回か繰り返しました。前評判と違って結構レーザーの熱らしきものが感じられ、術後痛くなりました。もうすぐに帰って大丈夫とのことだったのですが、次の診察の予約をしている時に痛そうにしていたら受付の人が痛み止めをくれました。優しい… 一時間ほどじっとしていると痛みはなくなり、念の為もう一時間ほどその辺をぶらぶら散歩した後*7、自分で運転して家に帰りました。検査と手術合わせて一時間ちょっとで終わりました。
経過
手術から一ヶ月ほど経ちましたが、経過は順調です。視力検査はまだしていませんが、体感の目の見え方は手術前と変わりません。 日本で診てもらっていた時は「必要になるまで極力手術はしない」というスタンスだったのですが、手術をしたらしたで心配事が減っていいですね。